<ベスト3>
・「フィガロの結婚」ベーム指揮1966年の
ザルツブルグ音楽祭の録画。
・「カルメン」クライバー指揮1978年
・「椿姫」ネトレプコ主演2005年
ごらんになった方には同意していただけるかと思いますが、この3本はまさに世界遺産級ではないでしょうか。図らずもすべてウィーン歌劇場になりましたが、作曲家はダブらないで良かった。
【「フィガロの結婚」ベーム指揮1966年】
ベーム指揮のものは、映画版や日本公演など各種ありますが、決定版はこれしかありません。モノラルでモノクロなのに、これが一番美しく見えるのです。歌手が本当に生き生きしているからだと思います。1幕のレリ・グリスト(スザンナ役)の表情や身のこなし、一挙手一投足がモーツァルトの旋律に合わせているかのようです(彼女はバレエをやっていたに違いない)。ケルビーノに向けるまなざしもユーモラスで可笑しい。フィガロ役も本当に愉快な上機嫌のフィガロです。そしてエディト・マティスのケルビーノ。ベームのレクイエムやリヒターのマタイで歌っているソプラノがなんとこの盤ではケルビーノを歌っている!!そしてその歌唱がまさに迫真なのです。その他に見事なセットや衣装など、この盤の美点は挙げたらきりがない・・・。歌手自身がこんなに楽しんでいる舞台はほかにあるでしょうか。
【「カルメン」クライバー指揮1978年】
クライバーがどう考えても映りすぎなのですが、クライバーの指揮ぶりを見たい人は多いのでしょうし私もその一人です。この盤では若くて自然体のクライバーが見られます・・・また、この盤の間奏曲の美しさは、まさしくクライバーそのものです。歌手ではドミンゴよりもカルメン役のロシア人歌手に魅かれます。オペラ歌手にしか望めないレベルの人間の声、すばらしいノドを持った歌手です。このひとの声をライブで聴いたらどんな気持ちがするだろう・・・。2幕の冒頭のセットと合唱の素晴らしさ、終盤のジプシーの魅惑的な歌唱・・・この盤の美点も数えきれない。
【「椿姫」ネトレプコ主演2005年】
オペラは舞台芸術ですから、歌手が美人過ぎるというのは、けなす理由にも毛嫌いする理由にもなりません。1幕のネトレプコの美しさは筆紙に尽くしがたい・・・男性は死ぬ前に一度見てみるべきDVDです。女性も老いる前に一度見てみるべき上演ではないでしょうか。現代的な演出も効果を上げています。
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